それも一つの 余談
その夜、彼が俺にくれた言葉(プレゼント)は、
「おめでとう」
と、
「ありがとう」
の、二つだけではなかった。
彼は初めて出会った頃のように優しく、そのくせどこか申し訳なさそうに微笑って、
「俺はルイが傍にいてくれたから、自分の足で立っていられたんだ」
「ルイ、君の優しさにどれだけ救われたかしれない。君は本当にすごい人だね」
「俺は本当に君に甘えてばかりだった。そんな俺に、君が甘えたいと思ってくれるかはわからないけど――」
返事もろくにできない俺に、更にこう続けたんだ。
「あまり弱音を吐かない君が、唯一それを吐き出せる場所に俺はなりたい」
終には堪え切れず泣き出してしまった俺の髪に、そっとキスを落としながら。
「ルイ、君が大事なんだ」
と――。
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